配管洗浄(排水管洗浄)について説明するよ!
☆この章のポイント
・配管洗浄とつまり取りの違いを理解しましょう。
・配管洗浄の必要性を説明できるようになりましょう。
・どの排水管にどのような汚れがたまるか理解しましょう。
・集合住宅と戸建ての配管の違いを理解しましょう。
まず、とても混同されやすく勘違いされている方も多いのですが、洗浄業務と、つまり取りは全く別物です。
つまりの原因は、配管の定期洗浄をおこたって、配管内に汚れがたまり、管の中が徐々に狭くなって、最終的にそこに異物が挟まり詰まった状態と、排水管内のトラップと言われる曲がり角の部分に異物が挟まり、異物に他の異物がからまったり、そこに汚れがたまって詰まっている場合があります。
つまり取りの場合は、まずその異物を取り除くことが主な目的になりますので、作業内容が全く違います。
配管洗浄というのは、つまりの初期の原因を定期的に清掃することで、配管内に汚れや異物を蓄積させないようにすることが目的になります。
マンションなどの集合住宅と、戸建て住宅は、配管の規格や洗浄方法が異なりますので、ここでは主に戸建て住宅についてご説明します。1名作業を基準にしています。
設備別にみますと、排水管の箇所は、洗面所・キッチン・トイレ・浴室・洗濯機になります。
洗面所の排水管はS字トラップと呼ばれ、ワイヤーや洗管ホースが入りにくいので、場合によっては配管の分解が必要になります。人毛が溜まりやすい箇所になります。S字トラップに、髪留めのピンや化粧関連の細かい異物がはさまっている場合も多いです。
キッチンの配管は、食品の細かいゴミや、料理に伴う油汚れがたまりやすいです。
トイレは便器の配管の構造上、屋内からの配管洗浄が難しい箇所になりますので、屋外の枡からの処理になります。トイレで使用される紙類の繊維やカルシウム汚れのかたまりがたまりやすいです。
浴室の配管は、石鹸カスと人毛がたまりやすい箇所になります。
洗濯機の配管は、洗剤カスと人毛がたまりやすいです。
マンションなどの集合住宅については、各戸の汚れはもちろんたまるのですが、上の階から下の階までつながる、集合排水管に汚れが溜まりやすく、集合管が汚れていると各戸の排水管を清掃したところであまり意味が無いので、共用配管の清掃ができるガソリンエンジンの強力な洗浄機を使った、専門業者の仕事になります。
配管洗浄の手順に入る前に、排水管には大きく3種類あることを覚えて下さい。
1.洗面台、シンク、洗濯パンなどから見ることができる排水管の入り口から床下の管までの部分を屋内管と言います。
2.屋内管から屋外の枡までを枝管と言います。
3.屋外の枡同士を結んでいる管を本管と言います。
①屋内の間取りを確認し、屋外の枡の位置を確認します。その際に、排水口や枡が作業可能な位置にあるか確認します。例えば、洗濯パンの上に洗濯機が乗っていて、作業者1人では動かせない場合や、枡の上に動かせないものがある場合、その部分の作業ができませんので、その旨ご説明します。
2階に水回りがある場合、パイプスペースの位置も確認します。
排水口の位置確認と同時に、つまりが無いか水を流してみて確認します。
②各排水口周辺をブルーシートやコロナシートで養生していきます。
③屋外から作業を始めます。各枡をマイナスドライバーで開けながら、配管高圧洗浄のワイヤーを通していきます。回しながら本管と枝管を洗っていきます。
高圧洗浄機本体は、京セラ(旧リョービ)でも、ケルヒャーでもそれほど変わりませんのでこだわりませんが、使うメーカーは統一したほうが、アタッチメントが合わない場合などあるのでよいかと思われます。パワーもたいして変わりませんので、お風呂のエプロン用と共用で問題ありません。
本体のパワーを上げても、スズランノズルから出る力はあまり変わらないので一緒です。
④屋内の各排水口にホースを入れて洗浄していきます。ホースが入らないトラップがあれば分解して継ぎ目かホースを入れます。
⑤分解したトラップはワイヤーブラシで洗浄します。
⑥排水口から見える部分の配管をワイヤーブラシなどで洗浄します。
汚水が飛んでいる場合は、周辺も掃除します。
⑦水気を拭き取り、外したパーツを組み付け、養生を撤去し完了です。
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